【非公式外伝】ガンダムビルドファイターズvs.プラモ狂四郎 序章

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【非公式外伝】ガンダムビルドファイターズvs.プラモ狂四郎 序章


すべてのガンプラ漫画・ガンプラアニメ好きに捧ぐ──。

初地上波ガンプラアニメ『ガンダムビルドファイターズ』放映記念作品
非公式外伝『ガンダムビルドファイターズvs.プラモ狂四郎』始動。

というわけで、赤子がいるのをいいことに慣れない二次小説といふものを、わたしもしてみんとてするなり。

全9章構成全10章構成で今回は序章です。残り9章
次回は12月12日公開予定です。

それではお楽しみください。




 プロローグ


 報告〔プラフスキー粒子流出事件について〕

 某日、東京郊外の空き倉庫にて廃棄目的で保管してあったバトルベースからプラフスキー粒子が機器外へ大量に散布された。倉庫はプラフスキー粒子が充満した状態で発見され、粒子は通気口等から倉庫外へも流出、近隣半径約二キロに渡り大気中に高濃度のプラフスキー粒子が散布された。過去に事例がなかったため対応に手間取ったが、周囲一帯を覆ったプラフスキー粒子は事件発覚から四時間四十五分後自然消滅した。本件に関して警察庁協力のもと現場より半径三キロ以内の住人に聴取・各種診断をおこなった結果、プラフスキー粒子吸引等による人体への影響は一切見られず。唯一実被害と呼べるものは半径約二キロ圏内のおけるすべてのガンプラの消失のみ。

 * * * * *

「ご覧いただいている報告がプラフスキー粒子流失事件について現在判明しているすべてになる」
 長谷川淳は書類を円卓の上へ放ると腹底から深い溜息を吐き出した。自分のまとめた報告であるが、こんなものが報告と言えるわけがないのは承知していた。何も判明していないと恥ずかしげもなく白状しているだけだ。
 互いの顔も視認できないほど仄暗い地下スペースで円卓を囲むように五人の男が座しており、各人の机上にはトランプのスートを模した紋章があしらわれている。それぞれが気難しい顔で手元の報告書に視線を遣ると、余計に表情を険しくしていった。
 五人の男たちは〈プラリーガーシャッフル同盟〉と呼ばれる。日本を代表する五人のプラリーガーで構成されたその組織は、日本プラリーガー界すべての事項に決定権を持つ集団である。その一員、〈クイーン・ザ・スペード〉の定位置に座る長谷川淳の報告を受けて、他の四人が矢継ぎ早に問う。
「ガンプラが、消えた、だと」
「ああ。未組立・組立済に関わらず、すべてのガンプラが忽然と姿を消したんだ」
「半径二キロ内のガンプラ全部だぞ。いったいどれだけの人手が必要か。組織ぐるみでもない限り不可能じゃあないか?」
 他のシャッフル同盟の指摘は至極正しかった。しかし現にガンプラは消えている、この事実が他ならぬ現場のすべてなのだ。プラフスキー粒子に包まれたエリアのガンプラが丸ごと消失した、長谷川淳はこの奇妙な事態に対して自身の仮説を口にした。
「プラフスキー粒子、この性質を使えば犯行は可能だろう」
「まさか。いいや、たとえ犯行にプラフスキー粒子が使われたって、そんな量のガンプラをすべて動かすなんてできやしない」
「待て。そもそも廃棄されたバトルベースから、なぜプラフスキー粒子が散布されたんだ?」
「第一発見者の証言によれば、発見時バトルベースは起動していたらしい。誰かが直接起動したか、あるいは……」
「遠隔操作か」
「ご名答。これはあくまで私の推論だが」長谷川淳はそう断った上で滔々と述べる。「遠隔操作でバトルベースを起動、周囲2kmをプラフスキー粒子で満たしたのち、そのエリアにおけるすべてのガンプラを操作した」
「馬鹿な。そんなことができるのだとしたら……」
「ああ。犯行の規模、そして手段、どちらも条件的に満たせるのはPPSE社の人間か、少なくともその関係者だ。それ以外には考えられない」
 長谷川淳の双眸に湛えられた確信めいた鋭い光と、その発言の持つ意味に気圧されてシャッフル同盟の面々は目を丸くしたまま言葉を失っていった。
 Plavsky Particle System Engineer社、通称“PPSE社”──ガンプラバトルの根幹を担うバトルベース、そのプラフスキー粒子散布システムを独占的に製作・管理している企業である。バトルベースの遠隔操作もガンプラの複数同時操作も、そのシステムの生みの親であれば容易に可能だと長谷川淳は判断していた。
「とはいえ」長谷川淳が自ら招いた重々しい沈黙を破る。「PPSE社はガンプラバトルシステムの根幹を一手に担っている企業。推論の段階で彼らとコトを構えるのはあまり良ろしくないと思われる」
「では、どうするね?」シャッフル同盟の一人が眉間に皺を寄せながら訝しげる。
 その言葉を歓迎するかのように長谷川淳は口の端を上げた。
「彼らに、“G研”に動いてもらいます」

 * * * * *

 東京の高層ビル街にあってひときわ目を引くビルがある。建てつけ自体は5階建ての変哲ないものだが、その屋上には巨大な《RX-78》の胸像が鎮座しているのである。ビルは名称を〈Gセンタービル〉と言う。バンダイがガンダムを愛する少年たちのために作った施設であり、その5階のフロアにはG研の本部が設けられている。
 ガンダム研究会、通称“G研”──究極のガンダム“ハイパーガンダム”を創り出すべく、全国の『機動戦士ガンダム』が好きな小・中学生を集めて結成された機関である。G研に所属する子供たちは“ガンダム野郎(ボーイ)”と呼ばれ、日々シミュレーション上でSDガンダムを戦わせては創造力を切磋琢磨している。
 長谷川淳はこのG研でガンダム野郎たちの指導を行っている指導員だった。過去には地獄山にあるG研開発センターで三年間SDガンダムの研究をおこなってきたが、G研の小宮山指導員と交代する形で東京支部の指導員となり、優秀なガンダム野郎たちと共に将軍Xの魔の手から世界を救った経験がある。

 ──最初のプラフスキー粒子流出事件が発生してから一週間が経過していた。その後も関東近郊で場所を変えながら立て続けに同事件は発生し、そのいずれのケースも発生エリア周辺のガンプラが残らず消失していた。

 G研本部の一角にあるコンピュータールーム。青白く光る巨大ディスプレイが三人の男の厳しい表情を照らし出していた。一人は長谷川淳、残る二人は〈B・H・C〉のロゴがあしらわれたグレーのジャンパーを着用している。
「まさか一週間あまり尻尾すら掴ませないとは、敵ながらアッパレだよ」笑えない敵への賞賛をこぼしながら長谷川淳が切り出す。「イレイさん、ババさん、バンダイホビーセンターからわざわざ二人に来てもらったのは他でもない。我々がこれから攻勢に出るための、その協力をお願いしたい」
 イレイと呼ばれた男が膝上に乗せたサバトラを背に沿って撫でながら柔和な声音で訊く。「ということは、何か反撃の糸口が見つかっている、ということですね?」
 長谷川淳はゆっくりと頷き、モニターに映し出された状況を説明する。
「現在調査にあたってもらっているのはG研から選抜したガンダム野郎一名と私の知り合いの少年指導員一名。彼らの調査経過をG研のスーパーコンピューターで検証した結果、今回の連続したプラフスキー粒子流出事件の現場にある共通点が見つかった。これを見て欲しい」
 長谷川淳がパネルを操作すると、モニターに映った事件発生現場がマーキングされた地図に新たなポイントが落とされる。
「今回の事件は必ず“ガンプラバトル選手権世界大会出場経験者”の最寄のバトルベース、そこからプラフスキー粒子の流出がおこなわれている。これはおそらく偶然ではない。そしていま現在、関東近郊で近隣に粒子流出被害のない世界大会出場経験者はもうこの二人しか残っていない、というわけだ」
 切り替わったモニターに映し出されたのは二人の人物。それを見たイレイ・ヒノデとババは息を吞んだ。そこにはガンプラ業界に籍を置く者なら知らぬ者などいないであろう見覚えのある顔が並んでいたのだ。
「イオリ・タケシ。第二回ガンプラバトル選手権世界大会準優勝者……」
「そして最強の現役高校生、〈紅の彗星〉ことユウキ・タツヤか。なるほど」
 二人の好奇の表情を確認した長谷川淳は嬉々として一度口角を緩めると、再び語気を強めた。
「次また犯行がおこなわれるとしたら、彼らの最寄のバトルベースである可能性が高い。これは今まで後手に回らざるを得なかった我々が初めて手にしたチャンスだ。今度はこちらから仕掛けたい。そして、イレイさんとババさんにもぜひ協力を──」
「長谷川指導員」ババが長谷川淳の言葉を遮る。「みなまで言わんでも協力は惜しまないさ。もちろん」
 ババの言葉に続き、イレイ・ヒノデも頷く。「ガンプラマイスターの知人がいる。こちらからも手を打っておこう」
「わたしも知り合いに声をかける。すぐに事件を調査している彼らに合流させよう」
 しかし、ババのこの提案に長谷川淳はやおら首を振った。
「いや、合流は大丈夫だ。気持ちは嬉しいが、大河くんと勇斗くんには事件の調査と平行して“ある人物”の捜索と協力依頼もお願いしている。それが一段落した時点で、自己判断で現地に向かうよう指示してある。こちらはこちらで独自に動こう」
 当然その含みを持った言様にイレイ・ヒノデとババは眉を寄せる。「その“ある人物”というのは?」
「本案件に関して、プラリーガーシャッフル同盟はガンプラの沽券に関わる特A級の緊急事態だと判断した。よって目には目を、特A級には特A級を。我々はガンプラの第一人者である彼にも協力を要請している」
 ガンプラに関連する特A級の人物──。二人は瞬間に、まさか、と勘ぐったにせよ、その後に継がれる名前を容易に予測することができた。しかし、噂に聞くその名を直接耳に入れることに急速に鼓膜が緊張するのが分かる。
「そう。彼はガンプラの第一人者、起源であり頂点。彼の名は、京田四郎──そして、その次々と傑作機を生み出す卓越した製作スキルと不屈の魂で数々の死闘を繰り広げてきたバトルセンスに敬意を表した人々が、親しみを込めて彼を呼称する際の“ある通り名”がある……」
 そこまで一息で言い切った長谷川淳は嬉しそうにもったいぶると、その伝説然とした通り名を口にした。
「京田四郎、人呼んで──、“プラモ狂四郎”だ」

ビルドファイターズvsプラモ狂四郎

第一章につづく

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ジャンル : 小説・文学

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No title

 どう考えてもコレは名作になりますな!!
楽しみです、すばらしい才能をお持ちでi-234
俺のツェンタオ、出してくれてもいいんやでぇ~~w
プラモウォーズ、古本屋にない・・・アマゾンで買うしかないのか・・・

本編は確かにプラフスキー粒子合戦始まりましたな、もうガンプラの完成度関係ないやん・・・

No title

コメントありがとうございます。

>1人目の方
はじめまして。私は世代ではないのですが、好き過ぎて全巻集めました。無駄にボンボンKC、愛憎版、KCDX版と揃ってますw
始まったばっかりなのでまだ狂四郎成分はほとんどありませんが、
基本的にビルドファイターズメインで話が進み、
歴代の先輩たちが美味しいところを持っていく展開なのでご期待ください!


>Yanagi1112さん
こんだけの神作品をごった煮して駄作書いたらもう表歩けない...
プラモウォーズ、むしろ古本屋で見たことないw

本編はもうガンプラハウツーやMS再現推奨する作品ではないんだと割り切りました。
まぁそれ差し引いても超面白いんですけどね!
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ササモト

Author:ササモト
ロボとヒーローをこよなく愛しすぎて生活費と部屋のスペースが圧迫される日々を送る20代後半。
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